銀杏拾い

 朝のランニング時、雨上がりや夜風が出た明けた日に、公園内の大きな公孫樹の木の枝に成った実が落ちてないかと、期待して行くのだが、空振りが続いた。

 一度、夫婦らしき老人たちが、袋詰めにして、沢山の落ちた実を拾っていた。

 そのとき、そこの大きな木に成る銀杏が大きく立派だと聞いた。公園の芝生から逆落としになる際にぽつんと、1本生える大きな公孫樹は枝を広げ、射してくる陽の光をなにものにも遮られず、独り占めすることで、撓わな実りをもたらしいるのであろう。

 本日出向けば、長い棒を夫らしき男の方が携えており、バケツ何杯もの銀杏を根刮ぎ集めている現場にであった。

 拾い残しを3つ程持ち帰り、実を解くと、なるほど立派な大きな実であった。

 ランニング最終時に、大きな木の下で足元の落ちた実を探す散歩がてらの老女がいた。通りすがら声をかけた。

ー 1時間早く来ないとみんな拾われちゃいますね。ー

 それにしても、棒で叩いて根刮ぎ拾うとは、なんと興醒めな仕業だこと。

 海洋資源のどこかのトロール船のごとき有り様だこと。

 ここで一句

 銀杏の 祟れや餓鬼に 青き毒