1週間くらい以前から左目に飛蚊症が発症した。朝起きると視界が煩わしい、洗面所の鏡で覗くも、充血しておらず外見状は問題ない。元々、右の眼底に網膜剥離を起こし、光凝固で剥離の拡大抑止術を受けており、数ヶ月毎に眼科への定期検診を受けている。会社を退職して数年後には、老人性白内障も発症しているため、網膜剥離と白内障の治療を継続していた。眼球のケアは人一倍気にかけている方であろう。ネットで検索を掛けると、飛蚊症が網膜剥離の前駆トリガーであるとのコメントから、精神的ストレスによっても発生するとの軽度症状まであるようだ。気にかけていた右眼ではなく、左右比較優劣で、暗杯の左目に老人病が発症したことに動揺した。
原因を探れば、エクササイズ仲間たち3名で近場の薔薇園まで、半日程度の遠足を実施したくらいである。当日は晴天快晴お遠出日和となり、紫外線も燦々と降り注いでいたようだ。出がけに白内障の点眼薬を指して無いことに、マンション玄関ホールを出たところで気がついたが、そのまま出掛けた。
1世紀以前、明治中期にロシア帝国が東アジア地域で南下政策を採り、西欧列強が植民地支配戦略を進めるなか、北方異民族ヌルハチによる漢民族征服王朝であった清の末期、西太后が後宮政治で最後の足掻きとも言える延命策を計っていた時期に、中華帝国内に於ける権益拡大を目論む英米の後ろ盾の下、東アジアの小国日本が大国ロシアのバルチック艦隊との乾坤一擲の一大決戦を仕掛けた。そのとき、現代に於ける気象庁の予報官がまず、朝鮮半島鎮江湾に鎭む、東郷平八郎率いる連合艦隊宛に海戦海域の天候状況について電文を発信した。大陸側で発達した低気圧が日本海北側に抜けるも、海域付近の等圧線間隔が極端に狭く、晴天ではあるが波浪は高しとの予報が想定され、
『天気晴朗而波高』となった 。
一方、元郵船船籍商船を軍事徴用したままの装甲板が薄く、砲弾が当たると簡単に沈むと言う、但し、索敵能力に徹した偽装駆逐艦『信濃丸』から、暗号混じりの電信が発信される。
アテヨイカヌ(敵艦隊)ミユトノ
ケイホウニセッシ
ノレツヲハイ(連合艦隊)ハタダチニ
ヨシス(出撃す)
コレヲ(敵艦隊) ワケフウメル(撃滅)セントス
ホンジツテンキセイロウナレドモナミタカシ
さて、ボラタイルな相場の上げ下げを計っ見ても仕方がない、少し鬱陶しい左目に巣くう羽音をたてない蚊に賭けて、どうせならなら、その行く末を自ら図ってみたいものである。