狐の巣

 ひと夏以前の晩夏の夕暮れ時にずいぶん大きな狐に出会った。いつもランニングコースを竹薮前に来たところで、公園の芝面を横切る彼女に出会った。悠然と遊歩道を横切り藪の暗闇の中に忽然と消え失せた。

 どうも、子ぎつねが3匹いる母狐だったようで、近くの女子大入り口付近の雑木林が住みかだったのを見咎められて、追い出しを喰ったようだ。住人が行政に処置を求めて、住みか付近の雑木林の一掃となったとのことであった。

 今年も夕暮れ時に出会うのをどこかで楽しみにしていたが、叶わぬ夢物語となったようだ。