雲たち

 公園へ急いでいると、見慣れた大きな背中が踏切の反対側を歩いていた。線路を斜め横断して声を掛けると、やあやあと、早朝の人通りが未だない小道で健康談義が始まった。80代の大先輩であるが、足腰は未だ確かであり、背筋も真っ直ぐで、小学生見守り隊として、朝と昼、修業後の通学帰宅路の道路横断場所で安全確保活動をされている。

 しばらく、相手に合わせて伴歩していたが、彼の仲間が現れたのを機に歩調を普段に戻した。行きしなに無店舗販売台の上に載せたサボテンの数が増えているのに気づいた。サボテン愛好家の仲間がいるようだ。