踏切

 横道から来たリュックを背負った男が駆け足になったのとほぼ同時に走り出していた。少し気を付けて、踏み切りの入り口の車止めらしい、地面から突き出した膝の高さの鉄柱の間を早足で通り抜け、向こう側にたどり着いた。踏み切り信号機が鳴る踏み切りに彼に続けて入り、一緒に駆け抜けて、駅に向かうだろうリュックサックの背中越しに声を掛けた。

『行ってらっしゃい!』と大きな声をかけると、見知らぬ通勤途上と思しき男が振り向いて、罰悪そうに恐縮した。

 30分早めの公園に着いたが、探索物は坊主であった。