アカカシ

スマホが手を滑り抜け床に転がった、スマホの裏面に設置した持ち手金具が無残に外れて、裏向きになった本体と少し離れて所在なさげに転がっている。

 朝のエクササイズの出がけのハプニング、歩数計も兼ねているのでいつもトレーニングパンツのポケットに入れ、ガラ携の首から下げる紐を改造してホルダークリップの雄雌フックで分離可能にしてあった。元々、山手線内の混雑時に吊革に捕まりながら、片手操作が出来るのでと、セミナーで貰った、指貫の付いた建機メーカーのノベルティーだったものが手元にあったので、設置したのがかれこれ数年前、一度金具がとれたてのでアロンアルファで固定したものだった。

思案した。傷口が無残であり、瞬間接着剤で固定出来るか怪しい。ネットでググったら、なんか解決策に出くわした。

『撚り技で外せ!』との教えに、捻ってみると、手応えがありそうな感じ!

 このあと、エクササイズ実施後、なんとか撚り技で開いた間隙にカッターナイフの歯を挟み、切るように接着面を1周すると、作業者の杞憂をあっけらかんと払拭するように、めでたく分離可能となった。

 実は、コロナ渦で旅に出ることが無くなった、スマホ使用場面では指貫金具が邪魔になることがしばしばあり、どうしたものかと、頑堅にスマホ背面に張り付いてている、ノベルティーに万歳状態でいたのが、本当のところであったのだ。

 一時はスマホの買い替えを考えていたので、目下の重大問題解決にニンマリして、薄手のターミナルの手のひらの抱き心地に、慣れないぎこちなさを久方ぶりに味わうことになりにけり、