ベンチプレス

妻が夏バテで体重が激減し、40kgを割り込んだ。週末から日曜日にかけて休業宣言され伏せっており、もともと頑張り屋なので、家のことで手伝いらしいことはしたことがなかったが、彼女も高齢者になってくると、重い物の持ち運びにも苦労するがいろいろ考えてなんとかこなして来たようだ。ラインが入り駐車場に行くと、米10kgとバッグを差し示した。大きな自転車のサドルからもはみ出しそうなバッグは10kg以上あるようで、左胸に米、右肩にバッグがずしりと過重がかかった。いつもは自力で上げているのだが、体力的に無理だと感じたらしく、ラインして来たのだった。

 身に起こっている切実な変化について、娘にも相談しておらず、部屋を覗くとスマホを手にとって操作していた。孫の預かりなどの便利使いへのハードルを上げて於かないといけないと考え込んでしまった。但し、孫のお守りを頼まれれば多分断らないことが容易に想像出来てしまう。といっても代役が出来るかと言えば出来ない。

『弱ったな~』

 そこで、現在のベンチプレスの重量を彼女の体重に合わせて上げていくことを娘にラインで宣言したら、早速親子で情報共有していた。

 娘から、

『どちらも健康になっていいね!』

 との返信が返って来た。