ラケット

 羽玉が一瞬消えた?手応えの打球の飛行を追う視線が空間をさ迷った。周りの爆笑の反応で気がつけば、羽玉が右手のラケットに張り巡らした糸の面に突き刺さっている。糸が切れたのだと指摘がされた。結局、指摘した彼がラケットの張り替えをしてくれることになった。

 弦を張り直したラケットで2時間ゲームをこなして、ベンチに座ったとき痛めていない方の膝が悲鳴を上げた。2重にしたサポーターをひとつはずして、バランスをとった。念のため、ゲームはペンディングした。一晩寝てどこまで戻るか?となった。