巻き爪

 以前から巻き爪に悩まされいた。歩き方に問題があると医者に言われた。どうにも不安になって、皮膚科を来院した。広い駐車場がほぼ満車状態になっており、この医院は大層繁盛しているようだ。営業時間帯が午前中と夕方から結構遅い時間帯までやっている。近くの工業団地があるので、そこの従業員ニーズへの対応のようだ。基本的には予約制となっていることを忘れていた。

 患部痛みが不安になって、駆け込んだ格好となっていた。

 診察室にいくと看護婦さんがハサミを持って、患部の様子を見にきた。受け付けに出したアンケートに巻き爪のことも記入したので、

『ここ痛いですか?』と患部に触ろうとした。身構えたのを感じて、爪の先を採取したいようだ。彼女の右手に持ったハサミに心が怯えた。

『みずむし検査する分すこし削るだけ』と言って、怯えている間にサンプル取得していった。

 結局、しばらくして診察に来た医者に特段の大病で無いことを確認して、

『足を引きずって歩くと、よくある症状ですね!』言う言葉が心の薬となったようだ。