願掛け

 寛永寺の墓地に沿って、博物館を目指して、歩き慣れた坂道を登った。交差点で右手を見上げた空に雲が踊っていた。

 仏陀群に相場の暴落祈願をして奥の部屋に回ると、半迦思惟像を撮影している中年男が、アングルを下方から工夫していた。ついでに撮ったスナップショットの画像を見れば、彼が仏像の顔の表情を撮りたい意図が知れた。

 東洋館の5階で、白磁の大壺を撮影する。以前にも撮ったようにも思うが、人の趣味が変わらないのと、この館展示物は殆ど変わらないようだ、戦前のシルクロード探検隊などが収集した遺物が多く展示されているのだろうか?現代では現地からの持ち出しは不可だろうから無理もない。