マキシーコート

 忘れた頃、一瞬の眠気の中に溶け込んだとき、真っ赤なマキシーコートが側に立ったいた。見とれていると、コーヒーのオーダーを確認して、カップ2つを手にして、窓際席まで戻って来た。

 少し、打ち合わせらしきアドバイスをして、会場へ向かった。名刺代わりの髭も落としたので、彼女のエスコートが上手く出来るか?自信がなかったが、出たとこ勝負の度胸は、昔の修羅場経験から備わっているのか?それなりに機能するものだと我ながら軽い驚きを伴った。

 それにしても、いつもながら主催者側の会場運営がぶっ続けであり、生理的に保たないので、閉口してしまった。

 彼女の名刺に手持ち枚数を確認して、数人に挨拶まわりしてもらったが、紹介のとっかかりをつけると、あとはバトンを渡せばよく、自然体で初対面の相手と立派に話題を繋げているのを感心して側で見ている格好となった。

 反省会を会場ビルの地階の中華レストランで行った。全くの下戸であること、そのときはじめて知ることになった。ワインに飲茶で何を話したのか?全く、忘れてしまっているのに、いま気付いた。久々の楽しい、異性との夕べとなったようだ。